組織風土・人財開発の分野でエグゼクティブコーチ、ファシリテーター、トレーナーとして活躍されている稲場泰子様に、コーチングでのルミナスパークの活用方法に関してお話いただきました。
Office ABANY 代表
国際コーチング連盟PCC
稲場泰子様
ルミナスパーク資格取得のきっかけは?
独立をきっかけにコーチングやプログラムに使うパーソナリティのアセスメントを探していて取得しました。
ルミナスパークをどのように活用されていますか?
「あなたがこういう傾向があります。以上」というツールも多いですが、ルミナスパーク40ページ1冊読むだけでコーチング数回分を担保できる程です。
コーチとしては、新しいクライアントには必ずルミナスパークをやってもらっています。理由は、コーチングでクライアントが成果を上げるには自己認識がとても大切だからです。コーチングは自己客観視力を高めることが大きな意味の一つですが、インタビューや対話だけで自己認識を深めるのは時間がかかります。ルミナスパークで良質なフィードバックを得ることができます。
ルミナスパークは、文章で自分自身について説得力あるアドバイスが沢山かかれています。「あなたがこういう傾向があります。以上」というツールも多いですが、ルミナスパーク40ページ1冊読むだけでコーチング数回分を担保できる程です。特に3つのペルソナが特徴で、自分一人ではわかりにくい自分の内面やビリーフを自分自身で見られるようにしてくれることは価値が高いと思います。
研修でもルミナスパークを活用しています。ポートレートをお互いに読みあう、他の人のポートレートの内容を知ることで自己理解、他者理解がものすごく深まります。自分では気づいてないけど確かにそうかもというものが言葉やデータになっているので、自分の価値観、傾向、嫌な面も含めて自分を理解することができます。ルミナスパークは、自分自身に危険を感じずに自己開示することができるところが大きな強みだと思います。周りからのフィードバックを読みあうことはできないですが、データで出てくると「確かに自分はそういうところがあるかも」と話すことができます。自分らしく強みを活かして活躍する女性活躍推進やグローバルリーダーシップをテーマにしたプロジェクトでも活用しています。
ルミナスパークが役立った具体的な場面を教えてください。
自分の強みをどう活かすのかをデータをもとに話すことができたことが彼の成長、成果につながったと思います。
コーチングのクライアントにIT系企業の人事部長の方がいました。ベンチャーで若く、もともとスーパーエンジニア。ITの部署とは風土が違う、部下の8割が女性の部署のリーダーとなり、気持ちを理解してマネジメントすることに苦労していました。彼の上司からは「彼は共感力が課題」というお話をお聞きしていました。
この人事部長のルミナスパークを見ると「共感的」はほとんどありませんでした。しかし、「論理的」「実践的」は非常に高く、大きな強み。そこで、コーチとしては「共感力」を上げることはテーマにせず、「強みを活かして効果的にマネージすることを『論理的』に考える」ことをテーマにしました。
「自分らしくありながらこの状況に対応するのは戦略が必要だけど、彼女たちの状況をマネージするのはどういう理論で行きますか?」と問いかけると、彼は「結論だけ伝えていたのをプロセスや自分がそう思う根拠も伝えるようにする」「物理的に接点を増やすために近くの席に座り、挨拶する」といったアイデアを出して行動しました。すると、半年後には部下達に「辞めないでほしい」とまで言われるほどの相談できるリーダーになりました。
共感がないことが彼の課題というのが上司の話でしたが、本質的には共感するのが目的ではなく、チームをパフォーマンスさせることが目的です。そのために自分の強みをどう活かすのかをデータをもとに話すことができたことが彼の成長、成果につながったと思います。