聖心女子大学のグローバルリーダーシッププログラムにルミナスパークを取り入れ、チームで動けるリーダーの育成に力を注いでいる奥切恵様にお話を伺いました。
聖心女子大学 現代教養学部
国際交流学科 教授
奥切恵様
ルミナスパークとの出会い:大学で導入したプログラム
「自分はこういう傾向があるのを知らなかった」とか「チームにはいろいろな人がいるんだ」ということに、体感的に気づき、心で理解します。
2018年からスタートしたグローバルリーダーシッププログラムの中でルミナスパークを取り入れています。プログラムを計画していた際に紹介を受けたのが、きっかけです。このプログラムは、2年次と3年次の2年間のプログラムで、今の時代に合ったサーバントリーダーシップを学び、チームで動けるリーダーの育成を目的としています。
まず、2年次の夏に、集中講義としてルミナスパークのワークショップを実施し、「自分はこういう傾向があるのを知らなかった」とか「チームにはいろいろな人がいるんだ」ということに、体感的に気づき、心で理解します。
3年次には、グループ単位で自主イベントを開催します。実際にイベントを作り上げていく中で、事前にきちんと計画したい人、直前にインスピレーションでやりたい人など、ルミナスパークで学んだ違いを目の当たりにすることになります。
ルミナの効果を感じるのは?
学生の事後アンケート結果には、「お互いが違っていたからこそ良かった」「同じような人ばかりでは、似たようなプランしか出なかったかも」などのコメントが多くあります。
いきなりイベントを企画させたら、チームがバラバラになるのではないかと思います。たとえ最初に、「ぶつかってもいいから、本気で意見を言ってみて」と言われても、慣れていないので難しく感じる学生が多く、なかなかできません。ワークショップをきっかけに、少しずつ自分の意見を伝え、自分の意見に責任を持って行動する過程で、少しずつ傾聴力や対話力がつき、意見を出し合う勇気を持ち責任感が深まる姿が見られます。
「ぶつかってしまったらそこで終わり」ではなく、意見がぶつかる時こそチームで解決し成し遂げるチャンスに変えるのに、ルミナスパークが役立っています。
学生の事後アンケート結果には、「お互いが違っていたからこそ良かった」「同じような人ばかりでは、似たようなプランしか出なかったかも」などのコメントが多くあります。多様性を踏まえて様々な意見をまとめる力も体験的に学んでいるようです。
自分の強みを知る価値ある機会
ルミナスパークの授業は、学生が一番楽しそうで、「自分は自分でいいんだ」と開眼する瞬間にも立ち会えます。
学生の友達同士だと、どうしても生ぬるい関係になりがちです。友好的だった相手でも「やっぱり違った」「嫌だな」と思ったら、もう連絡を取らない、以上、の繰り返しで、わざわざ対立しません。ルミナスパークを学ぶことで、「あの人はブルーの傾向が強かったからこう思ったのかもしれない」など想像することができるようになります。気づくことによって、「腹立つな。でもこういう折衷案があるな」とポジティブな決断に導く考え方にたどり着けるのではないかと思います。
学生たちは自分の感情にもきちんと向き合う中で、「『ネガティブに捉えていた自分』が、実は強みだった!」と気づきます。また、「羨ましいと思っていた隣の人の外向性も、行き過ぎれば短所になる」とわかることもあります。ルミナスパークは占いやただの心理テストとは全く違い、強みを強みとして認識すると同時に、長所は短所に、短所は長所になりうるのだと、社会経験の少ない学生にとっては、自分を初めて客観的に見る経験になっているようです。
ルミナスパークの授業は、学生が一番楽しそうで、「自分は自分でいいんだ」と開眼する瞬間にも立ち会えます。20歳前後でこの体験を得られることは、人生において大きな価値があると思いますし、私自身、その頃に同じ経験をしたかったです。
モノクロだった世界がカラフルに変わる、新しい未来への知識に、学生が目を輝かせています。
生涯教育になる「共生」という気づき
教員の私自身も考えたことがないことにも学生と一緒に気づき、今までとは違うカラフルな世界になりました。学生にとっても、多様性の中で「共生」を学ぶ、長い意味での教育になると信じています。
座学だけでは心に響きにくい、リーダーシップ、多様性、エンパワーメントと言った概念を、実践的な学びとして提供できるルミナスパークのワークショップ。教員の私自身も考えたことがないことにも学生と一緒に気づき、今までとは違うカラフルな世界になりました。学生にとっても、多様性の中で「共生」を学ぶ、長い意味での教育になると信じています。
自分を知ることで、他者を知り、自分で責任を持って仕事ができ、どんなカルチャーでも、誰とでも前向きに活躍できるようになります。この学びを活かし、将来多くの学生がリーダーシップを発揮し、カラフルに活躍するのを楽しみにしています。