ルミナラーニングジャパンによる女性リーダーシップ研修を導入された名古屋大学ジェンダーダイバーシティセンター 准教授・三枝麻由美にお話を伺いました。

 

名古屋大学ジェンダーダイバーシティセンター 准教授  三枝麻由美氏が女性リーダーシップ研修についてインタビューを受けている様子

 

弊社の女性リーダーシップ研修を導入されるきっかけは? 

 

名古屋大学に来る前にスウェーデンのルンド大学におりまして、そこでWomen’s Leadership Programmeということがあると知り、その内容が非常に素晴らしいなと思っていました。同じようなものを名古屋大学で導入したいと思っていたところ、ジンジャーとエリザベスに出会い、非常に良いプログラムだと思い導入しました。女性が活躍することが難しいという問題をみると、システムや環境が大事なのですが、女性側にも問題があって、その多くはなかなか自信が持てない、もう一歩を踏み出せないなどの問題があると思っていました。

 

 

参加者の方がワークショップから得られた収穫で一番大きいと思われるものを教えてください。

 

自分自身でいることが一番なんだ、自分自身のままでいいというポジティブなメッセージを、研修を通じて学んだことが一番の収穫でした。

リーダーシップっていうと「俺についてこい」的な型を連想する人が多いと思うのですが、そうではなくて、自分の良いところ、性格やスタイルをなくさず、活かしていくことで自分自身のリーダーシップや他人とのコミュニケーション向上に役立てていけるというメッセージが参加者にとってとても大きなものだったと思います。それまではワンパターンのリーダーシップ、皆の上に立つには積極的でないといけないとか、そう思われていた人が多いと思います。例えば冷静に落ち着いたタイプの人がリーダーっていうと思い描きづらいかもしれませんが、そういう冷静さが重要なリーダーシップ要素になるという教えもあったと思います。

 

ワークショップの内容で役立つと感じられたことは?  

 

人それぞれ性格やコミュニケーションスタイルがありますけど、自分の苦手なスタイルの人でも、相手のスタイルが分かると接し方がわかるので、参加者の皆さんそれがすごく良かったとおっしゃいますね。全く性格が違う人にどうやって自分の思いを伝えるか、自分の性格・相手の性格を知った上で効果的な方法を考えることができるようになったと聞いています。例えば会議に入ってきた時にその人のトップカラーを考えるようになって、知ると知らないとではコミュニケーションスタイルも変わってくるし、お互いの違いに関してもただスタイルが違うだけだと冷静に捉えられればいいと思います。

 

 

ワークショップ参加者の皆様は現在どうされていらっしゃいますか?  

 

過去の参加者で私の知っている中では3名プロモーションで受けた方がいます。他の大学で上位職に就職した人がいるんです。その方達がこのワークショップに参加したことによって、すごく勇気づけられたと聞いています。大学でのキャリアというとかなりのリスクも伴いますし、自信がないときは難しいこともあるのが、積極的に他の大学に挑戦して採用されて。このワークショップがあったからそういう一歩が踏み出せたんだと3名ともおっしゃっていました。

 

 

このワークショップのどういったところが彼女たちの背中を押したのでしょうか? 

 

自信を高める訓練、機会はそんなにないと思います。このワークショップでとにかく自信を高めるんだということを強調してやったことが彼女たちにすごく大きな力になったと思います。ワークショップの中で泣いちゃう人がよく居るんですよね。涙流しながら自分の問題点とか不安さを訴える、そこまで自分と対話することや他人に自分の弱さを見せる機会って多分なかなか無いですよね。だからその機会を通じて、自信を高めたという経験が皆さんに身に付いたのではと思います。

 

 

もう一人このワークショップに影響を受けた人もいらっしゃると伺っていますか? 

 

はい。その人は大学院生向けに女性のリーダーシップみたいなコースを司る専門のスタッフの一名なんですけれど、そこは女性で優秀な人を外から呼んできて外部講師をしてもらってロールモデル、どういったキャリアパスを積んだかなどを学生に話してもらうんです。

例えば、宇宙飛行士の人とか、大学のすごく有名な先生であるとか、企業のすごく優秀な上の人とかのすごく高い人ばっかりですよね。そういった人たちのお話をたくさん聞いていると、だんだん自信がなくなってきてしまうんですよね。あまりにも凄すぎて、自分とのギャップがありすぎて。そのロールモデルを目指せと言われても難しいなと彼女は感じていたみたいです。でもこの研修を受けて、上ばかりを見てそこを目指すよりも、もっと自分と対話をして自分の良さを活かしながら積み上げていくということが大事なのではと気づき、目から鱗だったとおっしゃっていました

 

 

受講生の方々には今後どのようなことが必要でしょうか? 

 

受講生はこの研修を通じて自信ややる気が高まったわけですよね。しかし環境であるとか周囲の人々は基本的に変わらないんです。自分がすごくやる気になって色々アプローチをしても、やはり周りは前と変わらないので結局何も変わらないということがしばしば起きて、そのことで逆に落ち込んでしまうことがあると思います。なので、そのことで打たれ強くなるというか一回ダメでも大丈夫というそういうモチベーションをキープしていくようなこととか、変わらない周りに対して自分が向上してやっていくことの折り合いのつけ方などがスキルアップとして必要なんじゃ無いかなと思います。

 

 

名古屋大学での女性リーダーシップ研修に関するインタビューの後の記念撮影(名古屋大学ジェンダーダイバーシティセンター 准教授  三枝麻由美氏、エリザベスハンドーヴァー、ジンジャー・グリッグス

 

 

ワークショップを受けられた方の中のネットワークというのはありますか? 

 

ありますね。それプラス全体のネットワークも緩いながらもありますし、自分と同じ学部でワークショップに参加した方々のネットワークができているところもあるので、そのことによって1人で声を上げるよりも3人で声を上げた方が他の人も多少聞いてくれるので、そのような緩やかな変化を起こしている人はいるかと思います。

 

 

ネットワークが広がっていくことに対して期待していることはありますか? 

 

ネットワークがあるから急に何かが起きたということはないのですが、和が広がっていっているので違う場面で会う時にも「また会いましたね」などと会話をすることができます。そして、何かがあれば誰かが助けてくれるというかそういった感じにはなりつつあります。

 

 

将来どのような女性リーダーをみたいと思われますか?

 

色々なタイプの女性のリーダーに出てほしいと思います。今はまだ数が少ないので少数の人が女性リーダーになると「ワンパターンしかないのか」と思ってしまいます。そうすると、何でも出来るスーパーウーマンのような人がリーダーになるので、そうではなく、男性を含めて色んなタイプのリーダーの姿があるので、そういった多様な女性リーダーが見たいです

 

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